2.衛生委員会
A. すべての職種において、50人以上の職場には設けることが法律で定められています。県立特別支援学校・県立高校の全てに設置されています。
次のことを、調査審議し、事業者(校長及び県教育委員会)に対して意見を述べるところです。
労働者の健康障害を防止
労働者の健康保持増進
労働災害の原因及び再発防止
その他
(労働安全衛生法第18条)
A.
・議長
「事業所の責任者」がなることになっています。教頭がなっているところが多いようです。
・衛生管理者
衛生管理者試験を受けて資格を持っている人です。保健体育の教諭、養護教諭は試験を受けなくても、資格があると見なされるため、以前はそのどちらかが衛生管理者になっていることが多かったのですが、県が教頭を中心に資格試験を受けるようすすめているので、現在は教頭が議長と衛生管理者を兼ねているところが多くなっています。
組合員が試験を受けて、衛生管理者になっているケースも数例あります。希望すれば誰でも受けられます。4月中に管理職に申し出ます。(受験費用は県。講習と受験は出張扱いです。)
・産業医(健康指導医)
神奈川県では、内科の校医が産業医となり「健康指導医」と呼ばれています。委員会に出席している職場は残念ながらあまりないのが現状です。本来、産業医になるためには資格が必要なのですが、どのくらいの「健康指導医」が産業医の資格を持っているのか不明です。
・事業者(校長)が指名した者
「衛生に関し経験を有するもの」から校長が指名することとなっています。組合の推薦者がなっているところ、学部長がなっているところなどがあります。法律で決まっているから形だけやっておけばいいんだ、と思う人ではなく、一定の知識を持ち職場環境や職員の健康の向上を考える人が指名されるべきです。労安委員やこのファイルなどで安全衛生の知識を得た組合員が、積極的に入っていくことが望まれます。
* 議長以外の委員の半数は、「労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない」となっています。
(労働安全衛生法 第17・18条)
Q. 衛生委員会はいつ開くのですか?
A. 「事業者は委員会を毎月1回以上開催するようにしなければならない。」と定められています。しかし、神奈川の障害児学校・高校では多忙を理由に、学期に一度のペースで年に3回、というところがほとんどです。学校組織の再編・会議の精選がすすめられていますが、衛生委員会については“開催回数年3回”は法律違反であるという認識で、月一度の開催をもとめていく必要があります。
(労働安全衛生規則 第23条)
Q. 衛生委員会では、どんなことをとりあげるのでしょうか?
A. 休憩・休息時間の取得状況、休憩室の使用状況、職場アンケート、職員室の環境などについて、話し合われています。
次のようなことについても、話し合われることがのぞまれます。
・公務災害の検証
・指導場所を含む職場環境
・休憩室の整備
・メンタルヘルスについて
・腰痛や頸肩腕の予防について
・職場の安全点検(健康指導医をふくめての巡視)
Q. 衛生委員会では個人のプライバシーに関わることは扱うのですか?
A. 衛生委員会では、特定の個人の健康情報などを取りあげることはありません。
しかし、公務災害の検証、職員の心身の健康問題などについて委員会で真剣に検討するならば、ある程度個人のプライバシーに触れる場合もあります。その場合、衛生委員は知り得たプライバシーを守る義務があります。衛生委員が自覚を持つと同時に、職場も了解していることが大切です。4月には、その年の衛生委員会のメンバーを知らせ、職場の付託を受けることが必要です。
A. 職場の声を聞き、すみやかに職場改善をしていくことです。
何かあったら、衛生委員会に相談、という雰囲気を作っていくのが大切です。衛生委員会で話し合われたことは、すみやかに職場に報告することになっています。公務災害が起きた時の相談にも乗れるようになればいいですね。
A. 衛生委員会の活動例として次のようなものがあげられます。衛生委員会で話し合われた内容は、朝の打ち合わせ、職員会議、衛生委員会ニュース等で、職員へ報告する必要があります。
(1)職員の危険及び健康障害の防止対策に関すること
(作業環境管理)
・校内巡視
→衛生委員会で校内をまわり、危険箇所や職場環境をチェックする。
・環境測定
→学校薬剤師による環境測定時に、パソコンを使用している部屋の照度測定をしてもらう。
・休憩室の設置と整備
→休憩室の設置、職員への周知、使いやすく整備。
(作業管理)
・腰痛、頸肩腕障害対策
→腰痛予防体操の励行
→アンケートの実施、結果の分析と対策
→不良姿勢を防止する対策:トイレベッドなどの高さ調査、介助方法の周知
(2)職員の健康の保持増進に関すること
(健康管理)
・健康相談
→健康指導医による健康相談
→厚生課保健師による健康相談(厚生課より案内)
→教育局産業医による健康相談(校長会で厚生課より案内)
・長時間勤務
→勤務時間の把握。医師による面接指導の職場基準。
(例)時間外労働時間が月80時間を越えている職員には医師による面接をすすめる。
→ノー残業デーの取り組み
・メンタルヘルス
→「セルフケア」教育(メンタルヘルス不全状態ではない職員むけ)
→メンタルヘルス不全状態の職員把握
・喫煙
→意識調査を行う
(3)公務災害の原因及び再発防止のための施策で、安全及び衛生に関すること
・公務災害の事例検証、防止策検討
→公務災害申請があったら、教頭先生に報告してもらい、話し合う。
(4)その他、安全衛生管理に関すること
(労働衛生教育)
・講習会
→腰痛、頸肩腕障害講習会
生活習慣病など健康保持に関する研修会(健康指導医に依頼)
・アンケート
→職場環境、身体疲労、メンタルヘルスなどについてのアンケートをとり、結果を返す。