4.健康指導医

Q.健康指導医とは何ですか?

A. 『労働安全衛生法』では50人以上の職場には「産業医」をおかなくてはならないことになっています。しかし、学校には以前より学校医がいたため、学校医が産業医の職務を行ってもよいということになりました。                    (労働安全衛生規則第13条2)         

神奈川県では、この産業医的な仕事を内科の学校医に依頼し、「健康指導医」と呼んでいます。北海道や東京都など、「産業医」が配置されているところもあります。

Q.それでは産業医とは?

A. 「産業医」は労働者の健康管理などについて事業者に必要な勧告をし、事業者はその勧告を尊重しなければならない、という重大な権限があたえられています。月1度以上の職場巡視、衛生委員会への出席が義務づけられています。その仕事の内容は、健康診断の実施及び結果に基づく労働者の健康の保持、作業環境の維持管理、健康教育・相談、衛生教育、健康障害の原因の調査・再発防止などです。                                                                               

(労働安全衛生規則第14条1)

Q.産業医と健康指導医の違いは?

「産業医」は法律で定められた資格を持っていなければなりません。しかし、神奈川県の「健康指導医」の中で「産業医」の資格を持っている方がどのくらいいるかは不明です。

「産業医」と「健康指導医」で大きく違うのは、その報酬です。神奈川県では年間8万2300円(H15年度調べ)支払っていますが、「産業医」の場合は年間何十万円にもなります。

 Q.健康指導医の仕事は?

 健康指導医制度ができたとき、県は、年3回以上の出勤を依頼し、その仕事としては、次のことを上げています。

検診結果の通覧と指導・助言

健康相談

保健講話

しかし、身体をつかう介助作業の多い盲・ろう・養護学校では次のようなことへの専門的な指導・助言も必要です。

適切な作業環境の整備

腰痛予防などの衛生教育

腰痛・頸肩腕など健康障害の再発防止

 そのためには、委員会への出席や職場巡視も求め、職場のことを知ってもらう必要があります。

 現在の健康指導医制度は、資格、報酬、の面で大きな壁があります。専門家の指導・助言のもと、身体をこわさないで働ける職場をつくりあげていくためにも、神奈川でも「産業医」の配置が強くのぞまれます。