5.公務災害

Q.公務災害とは何ですか?

A. 公務員が仕事によってケガをしたり、病気になったりしたら「公務災害」です。(民間では「労災」)「公務災害」と認定されると、受診療養のための医療費、病気休業中の賃金が補償されます。   

認定されるためには、仕事と傷病の因果関係をはっきりさせる必要があります。



Q.申請の仕方を教えて下さい。

A. 申請にあたっては、大事なポイントがいくつかあります。

   @できるだけその日のうちに(数日後でも、理由があれば大丈夫)

    ・けがや病気になったら、すぐに管理職や同僚に連絡し、できるだけその日のうちに病院へ行きましょう。ただし、始めは大丈夫と思っていても日を追う毎に悪化したので、発生から数日たってから病院を受診するということもあります。その場合でも、きちんと事情を説明すれば認定されますので、大丈夫です。

   A事実がわかる診断書

    ・病院では、診断書を出してもらいますが、養護学校の仕事の内容を説明し仕事とけがの関がわかるように、そしてどのくらいの療養や通院が必要なのか、書いてもらうようにします。医師によっては、労災のことがよくわかっていない人もいます。必要なら、労災に詳しい医師の診断を受けなおしましょう。(労災認定医)

   B申請書類はきちんとととのえて

  ・けがをしたときの状況をできるだけ正確にメモしておきます。

    ・公務災害の申請をすることを校長に伝え、事務長から認定請求書などの書類をもらいます。(申請のハンドブックが事務にあります)

  ・組合(分会もしくは本部)に連絡しましょう。

    ・現場にいあわせた同僚は現認書を、管理職は事実証明書を書きます。現認書は重要です。何通作成してもかまいません。状況を見ていた人に、事実経過がわかるよう書いてもらいましょう。

  ◎ 書類が不十分なまま申請して、いったん「公務外」と認定されてしまうと、これを覆すのは大変です。最初に提出する書類は、必要な内容をしっかり盛り込みましょう。

 ◎ 公務災害の場合は身分・賃金上の救済措置が「公務外」とくらべてたいへん手厚くなります。臨任・非常勤の方は特に申請が大切です。

Q.申請するとどのように認定されるのですか?

A.公務災害の認定の流れは次のようになっています

 

被災職員

              ↓請求書提示

             所属長(校長) 事実証明

              ↓提出

             任命権者(県教育委員会) 調査

              ↓提出        

           地方公務員災害補償基金支部(神奈川支部) 審査、調査

              「公務」か、「公務外」か、の認定を行う

Q.「腰痛」「頸肩腕障害」は認められにくいと聞きましたが?

A.以前は、 

・もともと既往歴があった

・行っていたのは日常的な動作でそれが腰痛の要因になるとは考えられない。(災害性がない)

・介助していた児童生徒の体重が軽い(20s以下)。

  などの理由で、公務災害の認定がおりないことが多かったのですが、二つの裁判の判決の成果で、認められるようになってきています。

「腰痛」「頸肩腕障害」は職業病であるという認識のもとで、みんなで公務災害申請をしていくことが、大切です。

☆ 宝子山裁判 平ろう分会の宝子山さんが頸肩腕障害の公務災害認定を求めた裁判。組合も全面協力。2006年12月に東京高裁で逆転勝訴。基金支部は上告を断念し、確定。既往症、介助していた児童の体重等が争点になった。

☆ 吹田保育士裁判 保育園のもちつきで、もちの乗ったお盆を持って腰をひねってぎっくり腰になり、公務災害認定を求めた裁判。2005年8月に大阪高裁で逆転勝訴。基金支部は上告を断念し、確定。日常生活動作での発症が争点になった。



Q.
公務災害を防ぐにはどうしたらいいですか?

A. 職場の公務災害の予防は、衛生委員会の大切な役目です。衛生委員会では、管理職からの公務災害の報告を受けて、予防のための対策を話し合わなくてはなりません。また、その結果は、全職員に周知し、共有する必要があります。公務災害を被災職員だけのものとせず、職場全体の問題としてとらえることが大切です。